遙かなる山の呼び声 (1980) / A Distant Cry from Spring

『遙かなる山の呼び声』(はるかなるやまのよびごえ)は、1980年3月15日に公開された日本映画。山田洋次監督によるいわゆる民子三部作(1970年の『家族』、1972年の『故郷』、1980年の『遙かなる山の呼び声』)の第3作。

出演:高倉健、倍賞千恵子、吉岡秀隆

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遙かなる山の呼び声 (1980) / A Distant Cry from Springのあらすじ


北海道、中標津の酪農地帯。ある嵐の夜、1人の男(高倉健)が酪農を営む風見民子(倍賞千恵子)のもとを突然訪れ、雨風しのぎにどこでもいいので泊めてほしいと懇願。民子は男を物置小屋に泊まらせる。深夜の牛の出産を手伝った翌朝、男は礼を言い立ち去るが、民子の息子から礼金を受け取るときに父親を亡くしたことを知る。


再びその男、田島が民子のもとを訪れ自分を農作業員として雇うよう懇願する。民子は一人息子の武志(吉岡秀隆)を育てつつ、夫の精一が開拓した農場を女手一つで営む未亡人であった。民子は田島をしぶしぶ雇い入れたが、当初は田島に警戒感を隠さなかった。ある日、民子に好意を寄せる虻田太郎(ハナ肇)が現れ、民子に乱暴しかける。それを目撃した田島は水をかけて追い返したが、虻田太郎は兄弟を引き連れ仕返しにやって来る。そして草原で虻田3兄弟と決闘をする事に。しかし3人は簡単にやられてしまい、手打ちと言うことで逆に田島を兄貴と慕うようになる。民子が農場での作業中に腰を痛めて入院している間に武志は田島にすっかり懐いてしまい、その息子の姿や虻田3兄弟に慕われる田島の実直な性格を見るうちに、田島にだんだんと好意を寄せるようになる。田島も函館からはるばる訪ねてきた兄の駿一郎(鈴木瑞穂)に、しばらく民子の農場に居るつもりだと打ち明けるように、落ち着きたい気持ちが湧いていた。


田島は草競馬に参加して見事優勝。しかし長居することで身辺に警察の捜査が迫ってきたことを知り、田島は民子らのもとを去る決意をする。その晩、別れを告げると同時に、隠し通してきた過去を民子に告白。2年前、田島は借金を苦に自殺した自分の妻を葬式の席で罵った金融屋を殴り殺してしまい、警察の捜査から逃げていると言うのだ。それを聞いた民子はショックを隠せないで居た。その夜、牛が急病になる。民子は急ぎ飲み屋で飲んでいた獣医(畑正憲)を呼んで診察を受けさせる。稼ぎ頭の牛が危ないという辛い状況の中で、民子は田島に「行かないで、私寂しい」とすがりついてしまう。明け方までには牛の手術も終わり騒ぎも収拾した。と間もなく農場のそばにパトカーがやって来て、田島は立ちつくす民子と「おじちゃん!どこ行くの?」と泣きながら追いかける武志の元から去って行く。


田島に傷害致死として2年以上4年以下の刑が確定。ラストシーン、弟子屈駅(現摩周駅、急行大雪は通らないがロケは弟子屈駅で行われた)に停車中の急行列車(「大雪」号)の車中に網走刑務所へ護送される田島を虻田が見つける。そして民子が田島の座る席まで来るのだが、護送員の目を気にして声をかけられないでいる。そこで虻田は向かい側のボックス席に民子と座り、彼女が酪農を辞めて武志と中標津の町で暮らしながら田島を待っているということを民子との会話にして田島に聞かせる。そして民子は黄色いハンカチを田島に渡し、田島は涙を拭いながら窓に顔を向けるのであった。

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